ヒヨドリ
ヒヨドリは、カラスやスズメの次に、よく見かける身近な鳥です。体全体を覆うグレーの羽はどちらかと言えば地味で、しゃがれ気味のピーヨピーヨという大きな声は、美しいというのとは少し違う印象です。
普段は、ヒヨドリにカメラを向ける機会はあまりありません。でも、このときは別でした。青空の下、白い花がこれでもか、というほど咲き誇るその真ん中に、ちょこんと止まった姿は、何だか全てがお互いの美しさを引き立てあっているように見えたからです。
胸から尾にかけての羽に白い縁取りがあったのか、と今更のように気がつきました。一枚一枚の羽が規則正しく、そして柔らかに体を包んでいる様を、この白が教えてくれます。アップにしてみると、その自然美に驚くばかりです。控えめながらもこの白が、花との美しい調和にも役立っているのでしょう。
地味だとか面白みがないといった価値観は、人間が決めたものです。反対に、美しいとか興味深いという価値観も、人間が言っているだけのものです。つまり、自然の中に見出す美や面白さは、自分の心ひとつが決めるということでしょう。ならば、どんなに身近な世界にも、地味に見えるものにも、美しさを見出せる目を養いたい、そう改めて思いました。
2018年05月14日
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