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自己完結力

 北海道の山には、いわゆる"山小屋"がありません。テントを張れる指定地や非難小屋はありますが、テント、寝袋、食糧、燃料など夜を越すために必要な物は全て持参する必要があります。ここではそれが当たり前なので、大きな荷物を背負って登ることも特別なことだとは思っていませんでした。なので、「北海道の登山者は自己完結力が強い」と、本州から来て初めて北海道の山に泊まるという登山者の方に言われたときは、何となく誇らしく、嬉しく感じたものです。
 今年はなかなか天候と日程が合わず、山の上でのテント泊はかなっていませんが、いつでも行ける様にと食糧や道具はそろえておくようにしています。そのお陰で3週間前の真っ暗な夜も、そう焦ることもありませんでした。でも、これがもし真冬だったら、たった2日間でも、マイナス20℃近くにもなる夜を耐えられたとはとても思えません。そして、それは誰もが同じように考えたようで、停電直後のホームセンターではポータブルストーブが入り口正面に大量に並べられていました。北海道ではお盆を過ぎるとストーブ商戦が始まりますが、通常は大型のFF式ストーブが目立つ場所に並びます。電気を使わず着火できるポータブル式のストーブがこれほど並んだのを見たのは初めてで、北海道民の危機感の表れだと言えます。
 台風24号が通過する予報が出て、改めて備えを見直しました。1度あったことは、再び起こる可能性があります。そして、冬へ向けて既に歩き出している季節が、待ってくれることもありません。冬を乗り越えられる準備をしてこそ、完璧な自己完結力と言えるでしょう。万が一、真冬に全ての電気が止まっても、「冬の夜空はこんなに美しかったか」と言えるくらいの余裕をもちたいと思っています。

2018年10月01日

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