寒さゆるり
今年は寒さの訪れが遅く、11月にしては暖かい日が続いていました。恐らく今日が帯広の初雪になるでしょう。もう既に雨に変わってしまっていますが、午前中は湿った雪が降っていました。気象庁の情報によれば、そろそろ根雪になってもおかしくない時期のようですが、まとまった降雪はもう少し先になるかもしれません。
ゆるりとした寒さが続く中、今年も渡り鳥調査の手伝いで十勝川の支流へ出かけました。空が白み始める頃にはひと区切りがつき、お茶とおにぎりで朝ごはんです。いつもの年より緩いとは言え、やはり川沿いはずっと寒く感じます。太陽が地平線に近づくにしたがって、川霧も立ち上り始めます。温泉の湯気であれば嬉しいのですが、ここでは寒ければ寒いほどこの川霧が濃くなります。指先にお茶の温かさを感じながら、厳冬期に比べるとまだ薄いその幻想的な様子を、ほぉ〜と眺めます。
太陽が顔を出し辺りが明るくなるにしたがって、そう大きくはない川に、これほど渡り鳥が集まっていたのかと驚きます。上流にも下流にも鳥たちが見えます。遠くの高い木にはその群れを狙うオオタカも止まっています。よく知った方に聞くと、この辺りではよくタカが狩りをする姿が見られるのだそうです。この季節、サケを狙う大型の鳥たちが集まる十勝川とは、少し趣が異なるようです。でも、その攻防が繰り広げられるのも、彼らが更に南へ旅立つまでのあとわずかでしょうか。野生を垣間見られる場所が、市街地と隣り合わせの小さな川にもあることを知り、またひとつ十勝の奥深さを感じることができました。
2018年11月19日
- カテゴリ
- 今週のヒューエンス
- 更新日
- 閲覧数
- 729