瞳の中に
ここは生き物のオアシスのような場所です。周りには住宅が立ち並んでいますが、いつもエゾリスが何匹も駆け回っていて、フクロウもモモンガも暮らしているそうです。齢500年を超えるという大樹が守る森には、木肌を弾く音、木の実をかじる小さな音が、心地よく響いてきます。
動物の写真を撮る時、ピントは瞳に合わせるのが基本ですが、動き回る被写体の一点を捉えるのは至難の業です。いつも自宅に戻り、一枚ごとに拡大しながら瞳のピントチェックするのが決まり事のようになっていますが、今回、そのうちの1枚に、自分の姿が写っているのを見つけました。カメラを構えて立っている私が、魚眼レンズの写真のように、青い空とともにリスの小さな目の中に写り込んでいたのです。写真を撮る行為は、いつもこちら側の一方的なものですが、彼らもまた、同時にこんな世界を見ているのか、と知ることができ、何だかじんわりとした嬉しさが湧いてきました。
2019年01月28日
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