水上走行
白い首輪に細いくちばし、そして後頭部にツンツンとした羽を持つパンクロックなウミアイサは、忍者ばりの水上走行を披露してくれます。川に住む仲間のカワアイサのヒナも、飛ぶことができない代わりに水上歩行で一斉に逃げるそうですから、血筋は折り紙つきなのでしょう。
恋の季節だからでしょうか。シノリガモやクロガモも、水上走行が盛んです。何羽かグループで浮いているな、と思ったら、おもむろに水面を走り出すオスが現れます。ウミアイサとは違い、そのまま飛翔姿勢へ移るわけではないので、やはりメスへのアピールなのだと想像しています。
緑が芽吹く前のこの時期は、雪に埋もれていた枯れ草たちが再び顔を出し、見方によっては物寂しい景色です。でも、耳を澄ませば小鳥たちはさえずり始めていて、そわそわとした春の雰囲気は、少しずつ広がっています。うららかな陽気の中で、美しい羽を、響く声を、強い体を競い合う季節でもあります。
2019年03月11日
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