春の変わり目
春先、川沿いなど水辺では木々の枝先が赤く染まっているのに気付きます。ケショウヤナギの冬芽は赤いのだそうです。冬の寒さに耐えてきたからなのか、うんうんと力を込めながら枝を伸ばしたからなのか、それにしてはきれいな紅のその色が群生している場所は、日本国内でも限られているそうです。あちこちの川を散策しながら、その景色を探しに出かけるのも楽しいかもしれません。
霧氷の花は、いつの間にかヤナギの花に変わりました。夕暮れ時、逆光に輝く銀色の花をしばらく眺めても、頬がしびれるように痛くなることも、カメラが氷のように冷たくなることも、無くなりました。アオサギが一羽、川岸の草むらの中から首をぴんと伸ばしてこちらの様子を伺っています。私が数歩足を動かしたら、どこに隠れていたのかダイサギ二羽も加わって一斉に飛び立ちました。夕日が透ける真っ白な羽は、早春の空気をゆっくり大きく掻き分けながら、上流へ向かっていきました。
2019年03月18日
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