白と黒
冬は、木々のシルエットが本当に美しい季節です。朝方や夕方、雲がなければ、太陽に染められた澄んだ空を背景にして、雲に覆われていれば、モノクロームのような景色に、足を止める機会が増えます。
少し前に、写真家は白黒写真が撮れるようにならなければプロではない、という言葉を聞いたと話していたら、「美容師は、黒い髪をして、黒い服を着ていても、個性を表現できるようにならなければいけないと聞いたことがあります」と別の社員。どちらも、"色"がもたらす作用に頼らずとも、最小限の材料だけでも、伝えたいことを表現できるのがプロというものだ、と言っているのだろうと想像しました。
色をそぎ落とした世界は、本質が見えなければ、味気のないものに過ぎません。一方で、見事に表現されれば、モノクロほど引き込まれる世界もありません。黒の濃淡だけで表されているからこそ、迫ってくる鋭さがあり、奥行きがあり、つくり手の心をも真っ直ぐに届くことのあるのでしょう。私たちがいる水処理という世界も、多くの色が混ざり合った複雑なものだからこそ、本当に求められる技術や本質を見極められる感性を研ぎ澄ませなければなりません。そんな腕の揃った集団でありたいと、改めて思うのです。
2019年11月25日
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