二つの目
エゾシカの群れは、いつも何となく皆が同じ方角を向いて草を食んでいます。それは、放牧された牛たちにも同じ傾向があるように見えます。群れをなす草食動物は、捕食者が近づいてきた時、仲間とはぐれずに同じ方向に逃げるためなのではないかな、といつも感じています。
一本の木に止まったオジロワシ。一羽で、長い間その場を動かずにいます。獲物が現れるのを待っているのでしょうか。ぎらぎらと光る目で辺りを見渡し、エネルギーを注ぐべき一瞬を逃さぬよう、じっと見定めているかのようです。
ここ数ヶ月の世の中の流れを見ていると、こうした生き物たちの行動に、自分たちが重なって見えます。仲間と協力をして、協調して、最善の策を取ることはとても重要です。一方で、自らの頭で、本当に必要な行動は何なのかを冷静に問うことも大切です。私たちの世界では、どちらかばかりに偏ってしまっては、きっと良い方向へは導かれないでしょう。この試練を、未来につながる形で乗り越えていきたいと願うばかりです。
2020年03月02日
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