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 エドワード・マイブリッジは、ギャロップする馬の脚が4本とも地面から離れる瞬間があることを証明するために、5年の歳月をかけてカメラの性能を向上させ、撮影された連続写真は、エジソンをも触発し、映写機の発明へと突き動かしたと言います。
 ここは、渡り鳥たちのスクランブル交差点です。でも、それは立ち並ぶビルの隙間ではなく、広い広い畑のど真ん中にあります。南で冬を越した鳥たちが飛んできては羽を休め、落ち穂をついばみ、しばらくすると仲間とともに飛び立っていきます。その脇でカメラを構えていると、忙しいことこの上ありません。西からは真っ白なハクチョウの編隊が近づいてくるのが見え、北からやってきたマガンたちが頭上を悠々と超えていき、目の前ではヒシクイがまさに飛び立とうとしています。つまり、目移りして被写体が定まらない上に、彼らの飛翔スピードに撮影技術が追い付かない事態となるのです。
 それでも、偶然の幸運というものはどこかには落ちていたようで、撮れたのが上の写真です。羽ばたく過程を連続撮影して合成したかのように、先頭のマガンから順に羽を下ろしていく様子が1つの画角に収まっていました。マイブリッジは、何台ものカメラを並べて撮影したそうですから、1台で撮れたこの写真にはびっくりかもしれません。でも、それもこれも彼の功績のおかげでもあるのです。
 渡り鳥の編隊は、どんな空模様でも美しいと漠然と感じていましたが、その理由の一つは、一群の鳥たちの、統制された動きがもたらすものなのかもしれません。それを感じさせてくれる1枚に出会え、なんと幸せなことか!

2020年03月09日

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今週のヒューエンス
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