流れの中に
白蛇がうねるような流れの中に、不思議な渦が起こる場所があります。鱗のような氷の塊たちが、弾き出されるように本流から離れ、ぐるりぐるりと回り始めます。同じ川の一部なのに、そこだけ何か特別な力が働いているように見えます。
川の流れは、歴史を見ているようでもあり、命を見つめているような気持ちにもなります。よどんでいた迷いも、少しずつ流れる先を示してくれているようにさえ感じることもあります。
日の出とともにゆるりと頭をもたげた白蛇は、白鳥たちが水浴びを終え、出発の合図を交わし始める頃には、まぶしい光の中に消えてしまっていました。
特別な日が始まったわけではありません。どんな1日の中にも、ほんの少し特別な時間があるのです。それは朝だったり、昼の最中だったり、自然の中にあったり、日々の会話の中にあったり。止まることのない流れの中で、それを気づくことができるか、特別だと感じることができるのかは、いつでも自分次第です。小さな特別の積み重ねが、豊かな1年につながるのでしょう。
2021年01月04日
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