閉じ込める
どこもかしこも雪景色に覆われる前に行くことができて幸運だったのは、氷結したオンネトーです。近ごろはSNSからも情報が得られるのか、すれ違う3割ぐらいの人は、除雪ブラシを小脇に抱えていました。少し前にうっすらと舞った雪で、湖面は一見真っ白でしたが、ブラシを持った皆さんのおかげで、ところどころ雪が払われ、凍った氷の湖をのぞき込むことができます。
氷の厚さはどのくらいになっているのでしょう?岸から湖の中央へ向かって歩いていると、湖底のガスがぽこぽこと浮いてくるのが見えました。そのガスは足元のすぐ下まで昇ってきています。氷の厚さは10センチも無いように見えます。
「思ったよりも薄い?!」
近くには、氷上に亀裂のような筋が渡っているのにも気づき、背中がひやりとします。でも、雲間から太陽がのぞき、表面近くにできたアイスバブルがきらきらと光を反射し始めると、そんな恐怖はすぐに飛んで行ってしまいました。
真っ白なバブルに、光の模様が浮かび上がります。まるで、水の揺らめきを閉じ込めたかのようです。なんてきれいなんだろう・・・これをどう表現すればいいんだろう、なんてことを考えているうちに、輝きが遠くなっていきました。大きな雲のかたまりに、太陽が再び隠れてしまったからです。
この時期にオンネトーを訪れるのは、すっかり恒例行事となりました。それでも、天候や時間帯によって出会える景色はいつも違っています。まだオンネトーブルーの氷の上に立つという夢もかなっていません。でも、どんな時でも新しい発見は転がっていて、興味が尽きることはありません。
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