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北大とヒューエンスの共同研究型インターンシップ<上>研究の実際

 ヒューエンスは本年度、「北大DXコンソーシアム共同研究型インターンシップ」に参加しました。この事業は、北海道大学が道内の地方自治体や企業のDXを進めるため、人材育成を目的として、学生たちが地域の課題解決を目指して共同研究を行うというものです。ヒューエンスは、社員が遠隔監視している、工場排水処理システムに流れ込む排水の量を、過去のデータなどから予測し、自動化できないかという課題を提示、2024年6月から9月までの期間、北大大学院の学生4人がデータ解析に取り組みました。事業の成果と課題について、関係者にお話を伺い、3回に分けて紹介します。

共同研究に参加してくれた小原さん、辰巳さん、荻野さん、梅村さん(左から)

 今回ヒューエンスの課題解決に取り組んでくれた学生は、荻野亮介さん、梅村渉さん、小原俊哉さん、辰巳晶信さんの4人。札幌のIT企業であるSCSK北海道の吉田学さんがアドバイザーを務めてくださいました。インタビューには、体調不良で来られなかった荻野さんを除く3人と吉田さんが集まってくれました。
 同インターンシップに参加した理由について、梅村さんは「DXは社会の大きなテーマの一つで、社会との接点を意識したいと思った」と言います。学生は企業のリストから第3希望までを選ぶことができましたが、4人ともヒューエンスを第1希望だったということです。それぞれ「汚泥の減容はCO2削減につながっている」(小原さん)「汚染物質の浄化をどうやっているのか」(辰巳さん)といった関心からヒューエンスを選んだそうです。
 ただ実際に排水流量データを分析して、小村さんは「どう使えばいいのか、見当がつかなかった」、辰巳さんも「自分の研究ではきれいなデータを扱いますが、流量のデータは質が違いました」と振り返りました。
 データ解析にはプログラミングが不可欠。3人は日常的に研究ではほとんど使っていませんでしたが、梅村さんは「苦労もあったが、生成AIがコード(プログラム)を教えてくれるなど便利なツールがあった」と話します。

北大工学部(札幌)で開かれたインターンシップの発表会=2024年11月

 発表会では、9カ月分のデータ解析から、一日の時間帯による水量の変化から、その後の水量を予測するいくつかのモデルを組み立てましたが、精度は上がりませんでした。4人はヒューエンスが手掛けている排水処理の現場を見学する予定でしたが、結局できずに終わり、「実際の排水処理の現場を見て、機械の動きなどを知ることができたり、普段から監視している人たちからもう少し話を聞ければ、精度を高められたかもしれない」と口をそろえました。

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