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影に揺らめく

 年末に駆け込みで雪が降ったものの、いつもの年に比べると驚くほど積雪の少ない新年のはじまりとなりました。冷え込みもそれほどでもない・・・などと感じていたのは、おそらく、室内で過ごす時間が長かっただけで、外は真冬と呼ぶにふさわしい凍てつく空気を十分に湛えていたのでした。十勝川の支流へ出かけようと思ったのは、その冷えた朝を思う存分に感じることができる場所の一つだからと言えます。自宅を出てから河川敷に着くまでに外気温が2度も下がり、それと反比例するようにかすかな高揚感が生まれてきます。真冬にこんなところへ来ようと思う人間は、皆同じような心の動きをするのだろうかと、冷えた空気の中で妙に客観的になった頭の中の声がつぶやきます。
 静かに昇る川霧に太陽の黄金色が映ります。そう、この景色が見たかったのだとシャッターを切ります。何度もこの場所でこの景色を見ているけれど、何が自分の心をとらえているのか、実はあまり自覚をしていませんでした。辺りが黄金色に染まるところなのか、幻想的な景色が現れるところなのか・・・。太陽に照らされた木々の影が川霧の濃淡に合わせて現れたり消えたりする移りゆく景色を思い出している時、そうだ、この木々の影を私は裏側から見ているのだと気付きました。
 普段は地面に落ちた影を反射光で見ていますが、川霧に映った木々の影は、影絵と同じように透過光で見ていると言えるでしょうか。影の主が、自らがつくった影の後ろで揺らいで見えています。もしかしたらそこに無自覚に違和感を覚え、惹きつけられていたのかもしれません。
 心をとらえるもののしっぽをつかんだからと言って、魅力が減るわけではないのが自然の美しさです。何より、まだ自覚できていない有象無象に囲まれているのですから。今年もまた、そんな自然との会話を通して世界を見て、また自分たちの仕事につなげていきたいと思います。


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十勝の景色
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