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いつもなら

 いつもの年であれば、ゴールデンウィークあたりに見られる茶色い風(写真)が、大寒を直前にして帯広の街に吹き荒れました。日本海側では、断続的な大雪で疲労困憊の地域も多くあると報じられていますが、十勝は全く正反対の様相です。もともと、ドカ雪と呼ばれる、一晩で数十センチの雪が何度か積もり、あとはからりと晴れてキンキンに冷えた日が多いというのが、十勝らしい冬だったのですが、いまだそのドカ雪はなく、寒いけれどキンキンにというほどでもない毎日がここまで続いています。今の季節に日高おろしが巻き上げるのは、厚く積もったさらさらの粉雪であって、決して露出した畑の土ぼこりではありません。このまま積雪がなければ、農作物への凍害はもちろん、さらなる土壌流出、森林の乾燥化、夏季の用水不足などなど、さまざまな問題につながっていってしまうかもしれません。身近なところからも「今年は雪が少なくて楽」などと言う声はほとんど聞かれず、皆、この不気味な冬を漠然とでも案じているのかもしれません。
 さて、気温もいつもの年ほど冷えていないとは言っても、野外でも室内でも寒さが体の芯にひびくような感じがしています。積雪が少ないことによる低湿度が体感温度にも影響しているのでしょう。むき出しの寒さは、体への浸透力も強いのかもしれません。生き物たちはどうしているでしょう。エゾリスは、いつもなら秋に埋めたクルミや松の実を雪の下から掘り出して冬を乗り切っているはずですが、露出したままの土はカチカチに凍っていて、彼らのか細い手では掘り出せそうな気がしません。どうやって餌を確保しているのかと想像すると、また胸が痛くなりそうです。あぁ、ここまで何度「いつもなら」と言ってしまっているでしょうか。大寒を過ぎればもう立春だと言うのに、このまま春になってしまうことが恐ろしいと感じる冬はありません。

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十勝の景色
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