赤いじゅうたん
北海道の東北部、オホーツク海からの海水で満たされる能取湖の畔では、この時期アッケシソウの群生を見ることができます。平地の広葉樹より半月ほど早く、アッケシソウは紅葉を始めます。この日は若干最盛期を過ぎて落ち着いた色でしたが、秋の青い空にはとても良く映えて、さながら柔らかなじゅうたんのようです。
アッケシソウは、北海道の厚岸町で始めて発見されたことにちなんで、「アッケシソウ」と名付けられたそうです。生育には塩分が欠かせず、かつ干潟のような浅瀬の土地が必要であることから生育地が非常に限られています。環境省のレッドデータブックでは、絶滅危惧?B類(近い将来における絶滅の危険性が高い種)に指定されおり、日本全国でも十数か所しか自生地が確認されていません。その中で北海道内には8箇所ほど自生地があるそうです。つまり、北海道はアッケシソウの保全地として非常に重要な場所なのです。この小さな植物が、これからも秋の大地に彩を添え続けてくれるよう、私たちも見守っていかなければと思います。
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