車窓
十勝は専ら車社会です。帯広を通る電車は札幌から釧路までをつなぐ石勝線(根室本線)があるだけで、日常的に電車を使うということは通学・通勤以外ではあまりないと言えます。そんな背景もあり、たまに出張などで電車に乗ると、窓から眺める風景が一味違って感じられます。
帯広から札幌に向かう線路は、日高山脈の北端、狩勝峠を横切るルートをとっています。トンネルも多く、携帯電話の電波も届かないところが大半ですが、平地ではもう半月以上前にピークを終えてしまっているミズバショウの群生があったり、草原で一休みしているエゾシカの群れがいたり、電車の音に驚いて一斉に駆け出す牛たちの姿があったり・・・。電車から降りて、散策してみたいような場所が沢山ありますが、そこは車での移動とは違って、叶うものではありません。だからこそ、一瞬見える風景が特別なものに感じられるのでしょう。片道約200kmの移動は楽なものではありませんが、貴重な風景を楽しむことができる時間も、たまにはいいものです。
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