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マイホーム

 私たち、日本人が抱くマイホーム像は、そのほとんどが木造です。
 日本が建国したと言われているのが紀元前660年ですから、その年月から考えると、本来英国のように、築100年などの住宅が普通に存在していてもおかしくないはずです。
 しかし、そもそも身近にあったもので生活を守るというのが生きる上での鉄則ですから、日本では、たまたま簡単に手に入りやすいものが、木だったのだと思われます。
 また、地震が多い事、移住人数の変化等がある事から、生活空間にあわせて建て替えする方が、経済的で、また利便性が良かった事が大きな理由のひとつだと思われます。

 北海道では、土地が広いため、以前住んでいた家を壊さずに、新しい家を建てる事があります。以前住んでいた家は、それまでの家族の歴史が刻みこまれたまま時間が止まり、ただの木箱のように息をすることをやめてしまうようです。そして私たちは自分好みの新居を造り、新しい歴史がはじまるのです。

 一方英国等に代表される石造りの家では、そのありのままの構築物を生かし、自分なりの個性を彩るためにリフォームして、新しい空間を生み出し、さらに新しい歴史を積み重ねていきます。
 その家自体に歴史が積み重ねられ、重みが加わります。

 この国の家にあまり歴史がない事が、少しさみしい気もしますが、それぞれの生活環境、空間に適したものである事が、大切なのだと思います。

 空間のありがたさや大地の力を強く五感で感じる事ができるこの北海道は、「帰りたい」と思える、大きな家だと感じます。

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今週のヒューエンス
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