しばれる
私が初めて覚えた北海道弁は、「しばれる」でした。1月の駅のホームで乗換電車を待っている時に、一緒の列に並んでいた方に「今日はしばれるね〜」と話しかけられたのが最初だったと記憶しています。初めて耳にした私でも、何となく「寒い」よりももっともっと寒いということを表しているのだろう、ということはその時のホームの状況からも容易に想像ができました。
この言葉の語源は、寒さのために雑木の幹が割れる「柴割れる」からきていると言われているそうです。実際、寒さが最も厳しい時期ともなると、夜の静けさの中から、木が裂ける瞬間の「パーンッ」という音が聞こえてくることがあります。初めてこの音を耳にした時は、何の音なのか全く想像がつかず、なんとなく怖さを覚えたものでした。
人間の私たちも、外を歩けば、たった数分のことでも顔は硬直してぴりぴりと痛み、息苦しささえ感じるほどになります。しばれて生木が痛々しく割れてしまった若木を目にし、自然の厳しさを感じると、いつも謙虚で神聖な気持ちになります。
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