夏休み
本州の山間の田舎で育った私は、小学生の時の夏休みといえば、毎日野山を駆け回って、オニヤンマを追いかけたり、ノコギリクワガタが集まる木々を見て周ったりしたものでした。朝早く出かけたり、ヒグラシが鳴く夕暮れに出かけてみたり、毎年のようにこんな夏休みを過ごしていましたので、今年はクワガタが少ないな、とか、カブトムシの角が去年より小さい気がするな、などと子供ながらに変化を感じたりもしていました。
先日、十勝の少し山間にあるキャンプ場へ出かけた時のこと。まだ夏休み中ということもあり、家族連れのキャンパーが沢山来ていました。普段なら、なかなか起きられないであろう朝の5時頃、子供たちは既に虫とり網を片手に川辺や山道を走りまわっていました。子供たちに負けじと、朝食を食べ終えると私も早速散歩へ出かけてみました。さすがに、虫とり網は持っていませんでしたので、カメラを片手に歩いていたとき、ふと、上を見上げると丸い黒い影が重たそうに飛んでいるのが見えました。まさか、と思い野鳥観察用の双眼鏡で見てみると、それはまぎれもなくカブトムシでした。
本州であればそれはごく普通の光景かもしれませんが、北海道にはカブトムシがいないと聞いてきた私はとても驚きました。人気者のカブトムシも、北海道では在来の昆虫の生息地を脅かしかねない外来種なのです。この辺りも年々冬が暖かくなってきたため、それまでは越冬できなかった昆虫も生息できる環境に変化してきているということなのでしょう。
小学生の頃だったら手放しで喜んでいたかもしれませんが、大人になった私たちは、これは北海道の本来の自然の姿ではないということを、きちんと伝える必要があります。そして、北海道の自然を守っていくためにできることを、大人も子供も一緒になって考えていかないといけないと感じました。
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