謎の集会
山や海や川で見つけた小さな謎を、あれこれ調べてはいつも自分なりに解釈しているのですが、時には何とも会得しがたい不思議に出会ってしまうことがあります。
まだ大部分が氷と雪に覆われた沼。水面が現れるに従って、ガンやカモの数を増やしていく沼地も、まだ彼らの姿は見えず、静けさばかりが辺りを包んでいました。今日は誰にも会えないかもしれないと思いながら、隣の沼地へ向かおうとしたとき、対岸に異様な集団を見つけました。
見るからに大きな黒い影はオオワシ。まだ肩が白くなりきっていない若鳥も含まれて、ざっと20羽以上が氷の上に並んでいます。(写真には納まりきっていませんが、この右側にもずっとオオワシが並んでいます。)その奥には2羽のタンチョウ、ところどころの小さな黒い影はカラス、そしてその上を旋回して飛んでいるトビ。
カラスやトビもいるので、きっと餌があったのだろうと初めは思いましたが、皆、何かを食べている様子はありません。そして、餌場を競い合うことの多いオジロワシも1羽2羽ほど混じっているように見えますが、ほぼオオワシの集団のようです。そこにタンチョウがのんびり混じっています。知床などでは冬の間、海の獲物を狙ってオオワシやオジロワシが集まると聞きます。初冬には、十勝川でも遡上した鮭を狙った集団に会うこともできます。でも、餌取りもままならない凍った沼の上に、これほど沢山のオオワシが並ぶという話を耳にしたことがありません。
何故ここで?何のために??双眼鏡を覗きながら、ヒントになりそうなものを探しましたが、頭の中のはてなを消してくれるようなものは見つかりませんでした。一見簡単そうなのに、解けない謎ほど興味をそそられるものはありません。しばらく、この不思議を突き詰める楽しみができました。
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