ここは、私の秘密の場所。
誰にも教える事のできない、昔からの秘密の場所です。

今日の目的は「行者ニンニク」。
山菜は、収獲が一番楽しいのです。
叔母と二人、準備を整え、車がほとんど通らないような道を自慢の軽トラックでとばします。
小脇に車をとめ、あとはひたすら歩く、歩く。
普段なら歩く気にもならないような距離を笹の葉をかき分け、目的地を目指します。
そこは、小さな谷になっていて、風が吹くとぷーんと行者ニンニクの香りがします。
期待を胸に辺りを見回します。
とてもきれいな水が小さな川となって流れていて、その周りにはまだ若い行者ニンニクが群生しています。
木々の隙間から太陽の光をあび、きれいな水のもとおいしく育つ、という訳です。
崖のような斜面には、誰にも採取されることなく、大きくなった行者ニンニクがいっぱいです。
日常を忘れ、ただもくもくと採り続ける事約３０分。
心地よい汗をうっすらかきながら、本日の収穫作業が終了します。
この秘密の場所の風景は、日常とはまるで別世界。空を見上げれば、木々の間から、抜けるような青空が広がっています。何とも心地よいこの空間、自分が自然の一部に住まわせていただいている、という事を実感します。
帰り道、いたるところでトラクターの音が鳴り響き、１、２キロ離れた距離の作業音まで聞こえてきます。
空気が音の振動をまっすぐに伝えてくれるのでしょう。子供の頃と同じ空気感にふれ、タイムスリップしたようです。

さっそく家に帰り、採れたての行者ニンニクをきれいにします。
今日のメニューは、ジンギスカン。
この青々としたうすい葉が、どうしてここまで濃厚な味を出してくれるのでしょう。
お部屋いっぱいに広がる、この匂い。
自然からいただいた今年初の恵みものです。
ありがたく頂戴いたします。ごちそうさまでした。

カテゴリ

今週のヒューエンス

更新日

2007-05-01

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