雨のち晴れ
天気が悪い時に行きたい場所があると、なんだか得した気分になります。もちろん、晴れていれば、文句なしの景色になりますが、雨が降っていたり、霧がかかっていたり、風がびゅんびゅんと吹いていても、それが味になったり趣に変わったり、そんな場所も、周りには沢山あるからです。
ここは、そんな中の一つです。雨がちで外へ出るのが億劫になるような季節になると、自然と足が向きます。ワタスゲもアヤメも、エゾカンゾウも、風や霧がよく似合います。若い緑も、雨の中で鮮やかさを増します。もちろん限度はありますが、私たちが悪天とひとくくりにするような空模様が、生き物たちにとっては“恵”であることもあるのでしょう。うるおいをもたらしたり、新鮮な空気を呼び込んでくれたり、厳しい太陽の光からしばし逃れられるからです。
思えば、それは私たちも同じかもしれません。雨の朝の眠りが深いのは、好天の時に消耗した体を休めるべく、充電する時間を与えられているのかもしれません。雨あがりの緑がいっそう生き生きとするように、またみずみずしいやる気がわいてくる気がします。
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