新入り
ずいぶんと付き合いの長くなったカメラに、新しい後輩ができました。もともと、愛着のあるものを長く使いたい派で、“新製品”という売り文句にはあまり惹かれない質なのですが、気に入っている初代の良いところはほぼ踏襲され、加えてフォーカス機能が良くなったとの評判を聞いて、仲間入りしてもらうことになったのです。
さて、製品としては２世代も若い新入りのおかげで、休みの間は「どこへ撮りに行こうか？」と毎日考えていました。でも、新入りだけを連れていくことはありません。初代にはあるけれど、新入りにはないものもあるからです。二人を携えてハクチョウやカモを狙ってみたり、エゾリスを追いかけてみたりしていたら、森の王者とも呼ばれるクマタカに遭遇しました。赤く染まる山を待ったり、通ったことのない道を走ってみたりしたら、偶然にも雪原のクリスマスツリーにたどり着くことができました。どちらも、いつもの場所やよく知った地域でのことですが、新しい風に導かれたような出会いでした。
新鮮な空気が大気を大きくかき混ぜてくれるように、“新しい”にはこれまでにない流れをつくってくれたり、古いものを活性化させてくれたりする力があります。新しいだけではなく、“いいもの”にもそんな力があります。私たちも、そんな力のあるものをつくりたいといつも思います。水がきれいになったから、次はこうしてみよう！ああしてみよう！と、新しい意欲やアイディアを連れてきてくるような施設です。これは、きっと、この先もずっと続く目標になるのでしょう。
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