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春を待つ

 1年のうちの約半分を冬が占めている北海道では、「新春」とはいえ、五感から感じられる春が来るのはまだまだ4カ月も先のことで、厚く積もった雪の下では、秋に芽を出した小麦たちが暖かい春を待っています。
 マイナス20度を下回る寒さを耐えぬかなければならないのは、さぞ辛いだろうと感じてしまいますが、この秋まき小麦は、冬の寒さを経験しないと、花を咲かせることができないのだそうです。つまり、冬に気温が下がらなかったり寒い期間が短かったりすると、春を迎えた後も花を咲かせ穂を実らせることができないということです。
 小麦などの植物だけではなく、昆虫などの動物の中にも、冬を経験しないと発育や産卵ができない種がいます。彼らは、実は、寒さをただ耐えるだけではなく、春が来た時には確実に次のステップへ進めるように、しっかり準備を進めてもいるのです。
 長い冬を越えた小麦は、暖かい春に種が蒔かれ冬の前に穂をつける小麦よりも収量が多いと聞きます。私たちも、厳しい冬を寒い、辛いと嘆いてやり過ごすのではなく、厳しさを乗り越えるための知恵を絞り地道に努力を重ねれば、春には大きな成長につながっているはずです。
 当社も成長の跡を皆様に伝えられるよう、一丸となって努めていく所存です。
 本年も引き続きご指導、ご鞭撻のほど、宜しくお願い申し上げます。

2012年1月4日

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