雨の音
連休後半は風雨の激しい日が続きました。天気予報は当初から悪天候を予想していましたが、新緑の誘惑に勝てず、帯広から40分ほどの静かな山間地で3日間の野営を決行しました。
テレビも無く、携帯電話の電波も圏外すれすれの世界は、テントに当たる雨と風の音ばかりでした。普段の生活では、雨の音は耳に心地がよく、夜も眠りが深いと感じていましたが、外での生活は少し違っていました。時間とともに雨が強まったり弱まったりする音の変化や、虫が鳴き出したり遠くから聞こえる沢の音を感じ、眠っている間も外の情報を敏感に得ようとしているのが分かりました。
テレビやインターネットで簡単に得られる天気予報も、自然の中に入ってしまえば自分の目や耳で得た情報から判断するしかありません。それは当たり前のことだと分かっていても、実際にその中に身を置いてみると、想像以上に神経を使い、楽なことではないことが分かります。
自然の中にあっては人間一人の存在は本当に心細いものです。そして逆に言えば、不自由を感じない日頃の生活が、いかに様々なものに守られているのかということが分かります。自然の美しさに触れたい、という単純な欲求もさることながら、日常の有り難さを感じ、謙虚な気持ちを確認するために、時々外の世界に身を置きたくなるのかもしれません。
2012年5月7日
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