1%のひらめき
先週1週間はノーベル生理学・医学賞受賞に日本中が沸きました。山中教授がiPS細胞の成功を発表した当時も、今ほどではありませんでしたが、やはり同じ分野の研究をしている研究者の間では大変なニュースになり、皆で電子版の論文をこぞって入手したものでした。
偉業を成し遂げた方のお話を聞くと、必ずしも目指した道を順風満帆に歩んで来られた方ばかりではないことが分かります。成功の裏にどれだけの努力や失敗を重ねてきたのか、ということは私たちからは計り得ないものですが、こういうときにいつもエジソンの「天才は99%の努力と1%のひらめき」という言葉を思い出します。
この言葉は、「1%ひらめきがなければ99%の努力も無駄になる」というのが真意だという説があるそうです。同じ努力をしても、結果を分けるということは研究の世界だけのことではありません。問題を解決する方法を何とか見つけたいという初めの1%や、苦労して得た成果をどう活かすかという最後の1%。これらは私たちの普段の仕事の上でもとても大切です。
先週末、北海道地方発明表彰の特許庁長官奨励賞の授賞式がありました。旋回噴流という現象を攪拌の技術として排水処理に使おうというひらめきと、実用化に向けた地道なデータ集積を続けた結果が、今の評価につながったのかもしれません。光栄であると同時に、これにあぐらをかかずに次の課題に向けて努力を続けなくては、と気の引き締まる思いでした。
2012年10月15日
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