たそがれの色
秋の日の落ちる速さは敏感に感じますが、春に向けて日が長くなっていくのを実感しにくいのは不思議です。
春分を過ぎて早十日。気がつけば夕方の4時を過ぎても、西の空に太陽の姿があり、積もった雪も溶ける速さが増して、小麦の緑が見えている畑もありました。春へ向かって着実に季節は動いているようではありますが、まだまだ厳しい寒さや降雪の続く2月は、そう簡単には私たちの気持ちを緩めてはくれないのかもしれません。
でも、春に向かっているのだと思えば、たそがれ時のオレンジ色の空はやわらかく温かに見え、少しずつ消えていく青い雪原を名残惜しく感じてしまうのもまた不思議です。冬もいずれは終わり春となる。厳然たる自然の流れは、例え苛酷な環境の中にも美しいものや希望を見出すことができる、心の余裕をもたらしてくれているのかもしれません。
2013年2月12日
- カテゴリ
- 今週のヒューエンス
- 更新日
- 閲覧数
- 505