黄金の時間
日没間際のわずかな時間を"黄金の時間"と呼ぶそうです。落ちていく太陽が、あらゆるものを黄金色に染めていくからなのでしょう。こんな時間は、心のおもむくままにシャッターを切って、写真を比べてみると面白いという話を聞いて、扇ヶ原展望台で日没を待ってみました。
扇ヶ原展望台は、然別湖へ向かう途中にあり、南を向けば北十勝の平野が見渡せ、西側には大雪山系の南端と日高山脈の北端の山々が、幾重にも連なって望むことができます。この日は朝からずっと空一面に白い雲が広がっていたので、絶景を望むのは難しいかもしれないと、半ば覚悟して向かいました。でも、日没が近づくにつれて、雲が薄くなりところどころに青空も見え始めました。
太陽がまさに沈んでいこうとする西の空はオレンジに染まり、白いもやの中に姿を隠していた山々も、その輪郭をくっきりと見せ始めました。雪の平原も、林の木々も明るく染める黄金の時間は20分もあったでしょうか。やがて東から進んできた青い夜にのまれていきました。
展望台で私がカメラを構えていたのは一時間ぐらい。初めは一人二人が入れ替わり立ち寄っていく程度でしたが、黄金の時間になるとカメラを手にした人が20人ほどに増えていました。そうですよね、こんな美しい景色を素通りできる人なんてそうそういません。
2013年2月25日
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