厳しかった冬
平地では小麦の緑が目に鮮やかに、春の始まりを告げています。南向きの斜面も順調に雪解けが進み、ササやフッキソウが艶やかな濃い緑の葉を見せ始めました。
一方、山間の春はまだまだ遠く、動物達は雪解けの早いふもとに餌をもとめて下りてきています。
この日は、エゾシカの集団に出会いました。
気がつけば、道路わきの斜面の上にも下にもシカ達が。草の芽や種を探して必死に雪を掘っています。カメラを向けられたことに気付くと、一気に緊張が走り、少しずつ山を登り始めたり、ガードレールを乗り越えて山へ逃げようとし始めました。それでも、この時期の貴重な餌場には未練があるのか、一斉に走り出すことはなく、早く私達に立ち去ってもらえないか、というような目を向けています。
よく見れば、厚い冬毛に覆われているはずのからだも、痩せて腰や肩の骨が浮き上がっています。いつもの年であれば、もう根雪も終わる3月の末。今年の冬がいかに厳しかったかということが、彼らの目からも伝わってくるようです。
2013年3月25日
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