雲の上
インターネットで“剣山”と検索して最初に出てくるのは、徳島県にある日本百名山にも数えられる名峰でしょう。でも、十勝の“剣山”も、きっと負けてはいません。
剣山は日高山脈の北端から尾根伝いに東に伸びた、1205メートルの山です。北海道では珍しい霊山のようで、山自体がご神体でもあり、修行のために登る方もいる場所でもあったとのこと。長く続く登りや、最後の岩登り(ほぼ垂直のはしご登り)は、確かに、鍛錬の場としてうってつけと言えます。
でも、頂上からの景色はもうただただ、美しい、の一言。
午前中は十勝全体が低い雲に覆われていたこともあり、山々だけが海に浮かんだ島のように眼下に広がっていました。どの頂にも雪が残り、切り立った山脈の形をよりいっそう美しく際立たせています。足を滑らせれば、どこまでも落ちて行きそうな絶壁の岩の上にいることなどすっかり忘れ、ただ山々の美しさだけが目に飛び込んできます。
下から仰ぎ見ても美しい、飛行機から眺め見ても美しい、でも登ってみると感動は何十倍にもふくらみます。広く名の通った山ではないかもしれませんが、間違いなく、私の百名山に加わりました。
2013年5月27日
- カテゴリ
- 今週のヒューエンス
- 更新日
- 閲覧数
- 521