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可愛い子には

 少し前までは、食べ物を食べれば、それは必然的に身体に入り、栄養として細胞の隅々まで行き渡るものだと思っていました。でも、実際には、ほとんど全ての物質は、細胞の膜を素通りすることは出来ず、専用の受取り口からしか中に入ることはできません。そして、その受取り口の数が足りなかったり、あったとしてもきちんと働いていなければ、いくら口から食べ物を入れたところで、栄養として細胞の中には取り込まれることはありません。
 これは、私達が様々なことを学ぶ上でも同じことが言えます。いくら、周りに良い本があったり良い先生がいても、受け取る側に、素直に受けとる心がなければ、成長の糧とはなりません。そう考えると、なかなか身につまされるものです。もし、周りに良い刺激があるのに、なんだか成長を感じないとしたら、自分の心が少し、柔軟性を失っているからなのかもしれないからです。
 細胞の受取り口は、環境が変化や新しい刺激を受けることで、数が増えたり活性化することがあるそうです。可愛い子には旅をさせよ、ということわざは、私達の身体のミクロの世界まで共通した真理なのかもしれません。

2013年9月2日

カテゴリ
今週のヒューエンス
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