温かな色
何年か前に、夏の花火大会で"和火"と呼ばれる花火の存在を初めて知りました。江戸時代、西洋から火薬が伝わる前に作られていた日本古来の花火で、線香花火のように木炭の燃える色だけの花火です。カラフルな打ち上げ花火しか知らなかった当時、何とも温かみのある赤橙色と、繊細で優美な大輪の花に魅入られてしまったのを、今でも覚えています。
今年の紅葉は、そんな和火を連想させるような色付きを見せています。目の覚めるような赤や黄色、というよりは澄んだ赤橙色。緑のハイマツの森を縁取るように色付いた帯は、冷えた空気に温かい熱を送ってくれる木炭の火を思い起こさせます。
秋の始めには、色鮮やかに一面広がる紅葉の森を期待していましたが、こんなも色いいものです。そう、日本人ならではの侘につながる色なのかもしれません。
2013年9月24日
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