一歩から
千里の道も一歩から。
どんなに長い道のりでも、踏み出した一歩の積み重ねで、目標へたどり着くことができる、という誰もが知っている老子の教えです。
山に登るとき、大抵登り始めの数百メートルがとても辛い時間です。この先、何キロもの登り坂が続くことは分かっていますし、肩に食い込むような重い荷物を背負って歩き始めると、必ず身体は泣き言を洩らし始めます。私よりずっと年が上であろう先輩方が、軽やかな足取りで追い越していくのを肩で大きく息をしながら見送りつつ、もう引き返してしまいたいという思いが頭をかすめた時、自然とこの言葉が浮かんでくるのです。
成し遂げようとする目標が高ければ高いほど、その一歩は重く、歩幅も小さなものになってしまいます。でも、立ち止まってしまわなければ、引き返してしまわなければ、確実に頂上へ近づくことができます。そして、先を行く先輩達の背中は、遠くに見えるようで、実はそれほどの差はなかったりするのです。
やがて、ひとつひとつの足跡は大きな自信につながります。頂の先に広がる世界が素晴らしければ素晴らしいほど、自らの足で歩き続けるということが、どんなに尊いかということを、いつも身をもって感じるのです。
2013年10月7日
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