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静かな湖畔

 晩秋を明るく染めたイチョウもすっかり葉を落とし、収穫を終えた畑は真っ白な霜に覆われる季節となりました。これからは、澄みきった青空は、凍てつくような寒さの証となっていきます。
 久しぶりに穏やかな太陽に恵まれた週末の夕方、出かけた生花苗沼は、夏は原生花園が美しく、秋や春には渡り鳥の集う汽水湖です。周辺は木々で覆われ、道路からも全容が確認しにくい静かな沼で、この日は人影もなく、鳥たちの楽園となっていました。春に比べると鳥の姿は少ないと聞いていましたが、ハクチョウやカモの仲間が、近くの餌場から次々に戻ってきていました。


 静かに夕陽に染まった空を飛んでくる渡り鳥たちの編隊は、いつ見ても美しく、感動的です。ここでもやはり目を引くのはハクチョウたち。まっすぐに並んでいたり、Vの字だったり、時折形を変えつつ飛んできては、ふんわりと湖面に降り、真っ白な羽をたたんでいきます。シベリアからの何千キロにもわたる旅を、ガンやカモは大きな集団で乗り切りますが、ハクチョウたちはたった数羽の家族の絆で乗り切ってきているのだと知って、その息のぴったりと合った編隊の美しさにも納得です。
 渡り鳥にとって、寒さの厳しい北海道は、羽を休める中継地点であって、その多くは間もなく本州へ渡ってしまうそうです。少し寂しくもありますが、またシベリアへ戻る途中に立ち寄ってくれることでしょう。次の春を楽しみにしたいと思います。

2013年11月18日

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今週のヒューエンス
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