必要なもの
ものが溢れる時代に生まれた私たちは、多くのものを持つことが、豊かさの象徴のひとつだと感じてしまいがちです。
かつて、常に飢餓にさらされてきた動物の身体は、条件の良い時に、出来る限り栄養を取り込もうとする仕組みになっているのだそうです。多くを得ようとするのは、本能的なことなのかもしれません。しかし、どんなに身体に良い食べ物も、必要量以上に取り続ければ、それは様々な病気を生じることにもつながりかねません。物の豊かさと引き換えにリスクも得たと言えます。
私たちの営みについてはどうでしょうか。仕事ひとつとっても、精進を重ねた人は、道具を選ばすとも、与えられた条件のもとでも、十分成し遂げることができます。そして、言葉も同じです。数の限りを尽くすよりも、シンプルで真っ直ぐな一言が心に届き、人々を動かす大きな力になることがあります。
「なくても良いと思えるものが多いほど、人は豊かになれる」
以前、このような言葉を聞いたことがありました。何かを多く得ようとすることよりも、一度得たものを手放すことの方が難しく、持たないという選択をすることの方が、勇気が必要。でも、その代わりに心の豊かさを得ることができる、ということなのかもしれません。
今年もまた、1年を振り返る季節になりました。本当に必要なものは何なのか、身の回りを片付けながら、考える時期でもあります。
2013年12月9日
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