習わし
もう随分前のことですが、確か今頃の時期、卒業旅行で訪れた先で、お彼岸のお墓参りがあるというので、誘われてついて行った事があります。春のお彼岸と言えば3月20日頃のはず、と不思議に思い尋ねると、「私たちの暦ではお彼岸は3月だけれど、ご先祖様は旧暦しか知らないのだから、ご先祖様が混乱しないように旧暦に合わせるのよ。」と教えられました。新暦となった後もこの地域ではずっと続いている習わしとのことでしたが、その理由を聞いて目からうろこが落ちる思いでした。
日本の周りでも、祝事や祭事は旧暦にならっている国が沢山あります。伝統を重んじてきた結果でもありますが、その根底にあるのは、今の自分につながる人達への敬意と感謝、そして相手を思いやる温かさではないでしょうか。古いものを守ることだけが必ずしも良いこととは限りませんが、人々が長く大切にしてきたことの裏には、今の私たちも習うべき心のあり方が沢山隠れているように感じます。
もうすぐ旅立ちの春。人とのつながりの有り難さを感じる季節です。
2014年2月24日
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