森へ
先日、東京のIT企業が、社員のメンタルヘルスのために、北海道で森林浴を取り入れた研修を行うという記事が新聞に掲載されていました。何でも、森の中には、人間の心と身体の健康に寄与する物質が沢山放出されていて、北海道の森はとりわけその量が多いのだそうです。
人は、木や石など天然の物に触れると、心が落ち着くという話も聞いたことがあります。太古から自然の中で生かされてきた人間にとって、自然のものは、食糧であり、身を守るための衣服や家であり、決して自分自身とは切り離せないものでした。それらが近くにあることは、命を保証することであり、故に安心を与えるものだったのかもしれません。
翻って、現代の私たちの生活は、その多くを人工物に囲まれて暮らしています。便利なものが次々と創り出されているにも関わらず、どこか不安定さを抱えているのは、安心を与えてくれるもの=自然から遠ざかり、私たちが認識している以上に、心も身体がストレスを感じているからなのかもしれません。
針葉樹の静かな冬の森は、心を落ち着かせるには最適です。あと2ヶ月待てば、広葉樹の新緑が元気を分けてくれるでしょう。身をおくだけで幸せを分けてもらえる場所が近くにあることは、本当に有り難いことです。
2014年3月10日
- カテゴリ
- 今週のヒューエンス
- 更新日
- 閲覧数
- 491