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声違い

 連日の真夏日に、身体も疲れを感じ始めるこの頃。高いところならばきっと涼しいだろうと思いましたが、平地が30度を超えれば山の上でもやはり暑いものです。
 去年は姿を見ることができなかったナキウサギを目指して、標高2,000メートルへ。持参した1.5Lの飲み水が、右から左へ流れ出してしまっているのではないかと思うほどかいた汗も、30分ほど待っているうちに、程よい風に吹かれて落ち着きました。でも、いつもは盛んに聞こえてくる鳴き声がこの日はなかなか聞こえてきません。
 聞こえた!と思っても、なんだか声が小さく、張りが無いような。いつもと違う雰囲気を感じながら静かに待っていると、遠くにエゾシマリスが姿を見せました。昭和初期と割と最近にその存在が確認されたナキウサギは、それ以前は、鳴き声が良く似ていたことからエゾシマリスだと思われていたという話を思い出し、今の声の主は、シマリスだったのだという結論に至りました。
 よく考えてみれば、氷河期の生き残りと言われるナキウサギが暑さに弱いのは当然で、昼間は岩場の奥で静かに休んでいるのでしょう。少し残念ではありましたが、代わりにシマリスの愛らしさを思う存分堪能でき(驚いたことに、エゾシマリスもエゾリスのようにシャッター音につられてすぐ近くまで寄ってきてくれたのです)、重いカメラを背負って来た甲斐があったと満足の1日でした。

2014年8月4日

カテゴリ
今週のヒューエンス
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