虹のはし
秋の変わりやすいお天気のお陰で、虹を目にする機会が増えました。バケツをひっくり返したかのような激しい雨の後も、細かい粒が柔らかく降りた雨の後でも、流れの早い雲の切れ間から太陽が顔をのぞかせると、目の前に七色の帯が現れます。
虹の根元には宝(金の壺)が埋まっている、というのは西洋の俗信なのだとか。もしかしたら本当にすぐそこに、目にしたこともないような財宝が静かに眠っているかもしれません。でも、実際には、追いかけていっても、虹の端にたどり着くことは難しいでしょう。光の帯は、明確に何かを指し示しているようで、手ではなかなかつかむことができない夢の象徴のようです。
私にとっての虹は、身近にある世界を再認識する架け橋でもあります。条件がそろったわずかな時にだけ現れる七色の帯。いつもと変わらないように見える日常の中にも美しい景色は溢れていて、ほんの少し光を当てて、ほんの少し角度を変えてみれば、それは容易に姿を現してくれる、そう主張しているように感じるからです。
2014年9月8日
- カテゴリ
- 今週のヒューエンス
- 更新日
- 閲覧数
- 547