10年に一度
初夏には緑のハイマツと白い残雪が美しいゼブラ柄を織りなす白雲岳からの眺め。残雪の季節はもう過ぎてしまっていますが、今秋の紅葉は10年に1度の美しさとも言われています。
日の出を知らせるかのように、ナキウサギの声が聞こえ始めたころ、山頂に一番乗りです。太陽が少しずつ高度を上げ、自分が立っている白雲岳の黒い影が低くなると、山肌に緑と赤の縞模様が浮かび上がりました。息を吹き込むと炭火の炎が一気に赤く広がるかのように、赤や黄色に染まった木々が緑の縁を情熱的に染めています。時間の制約が無いのであれば、1日中でも眺めていたい景色は、10年に1度の美しさという言葉に反論のしようがありません。
何万年か何百万年か、この景色ができるまでにどれほどの年月がかかったのでしょうか。10年に1度と言われる美しさは、私たちの人生にとってとても貴重な一場面です。ただそれは、気の遠くなるような長い時間、地球が積み重ねてきた歴史の端を目にしているだけで、次の10年の間にまたこれほどの景色を見られる保証はどこにもありません。
そう、皆さんにも是非、この機会を逃さないでほしいと思っています。
2014年9月16日
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