神々の遊ぶ庭
今年の紅葉は10年に1度の色づきだと書いた先週の火曜日、山が白く染まりました。そして、その雪は、そのまま絵葉書にでも出来そうな景色をもたらしてくれました。
遠くには1週間前に自分が立っていた白雲岳の白い頂。目の前には針葉樹の緑を飾る赤や黄色。そして、それら全てと空の青を丸ごと写し取った水面。どこをどう切り取っても美しい世界は、本当にこれが同じ日本の中の景色なのかと疑問すらわいてきます。
そう、ここは神々の遊ぶ庭です。この場所の主はもちろん、ヒグマたち。彼らがここでくつろいでいる間、私たちが邪魔することは許されません。彼らが留守にしているほんの少しの間だけ、その庭を見学させてもらっているのです。
歩み進める度に現れる美しい景色に、あちこちから歓声があがりっぱなしです。私たちの声が聞こえる間、神様たちは気を使って近寄ることはないそうですが、夕方、人影が消えた後に戻ってきて、噂しているかもしれません。「やれやれ今日はとりわけ人間たちがにぎやかだった」と。
2014年9月22日
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