平年並み
今日は帯広でも雪虫が飛んでいました。通勤途中のイチョウの木も黄色へと変わり、晩秋の街をまばゆく飾っています。冬はすぐ目の前です。
今年の冬は気温、降雪量ともに平年並みになる見込みとのことです。近頃は、夏も冬も極端な天候が起こりやすく、「平年並み」という予報に少し安堵を覚えるようになりました。寒さも雪もできれば避けたいというのが人情でもありますが、北海道を北海道たらしめるのは、やはり冬なのではないかと思います。昨年のように積雪が少なく冷え込みが厳しければ、雪の断熱効果に守られている作物の生育に影響し、一昨年のように極端に積雪が増えても、春の雪融けが遅く、やはり植物の芽ぶきに影響が出るでしょう。1年の約半分を占める冬の季節が、生き物に与える影響は大きいはずです。「並み」という言葉は、人間の世界では必ずしも称賛に使われる言葉ではありませんが、「並み」ではない天気が、いずれ「並み」になってしまった時、北海道らしい広い畑も、北海道らしい美しい花々も、すっかり違ったものになってしまうかもしれません。地球も生きているのですから、同じところにとどまることはありませんが、もうしばらくは、この風景を見ていたい。だから、キンと冷えた真っ白な冬に、次の春を託したいと思います。
2014年10月20日
- カテゴリ
- 今週のヒューエンス
- 更新日
- 閲覧数
- 530