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鳶柱

 三羽烏ならぬ三羽鳶。もともと身近な猛禽類ではありますが、並んで止まっている姿が何だが可愛らしく、遠くから写真を一枚。もう少し近くに寄って、とガサリと草むらに足を踏み入れた途端、一斉に飛び立ってしまいました。

 近くに集まっていた20羽から30羽のトビは、逃げ去るでもなく、大きく円を描きながら悠然と風に乗り始めました。穏やかな昼下がり、鷹柱ならぬ"鳶柱"は付かず離れずしばらく旋回を続けた後、静かに散って行きました。
 この時期、トビが一ヶ所に沢山集まることがあるそうです。真意のほどは分かりませんが、次の春に向けてパートナーを見つけるためという話もあります。ならば、鳶柱をつくって飛んでいたトビたちはオスで、地上からその様子を眺めていたのはメスたち、はたまたその逆もあるでしょうか。
 生きた動物を襲うことの少ないトビは、大きさこそオジロワシに次ぐ羽の長さをもち、かつタカの仲間でありながら、他の動物や鳥たちが逃げていくことがありません。彼らにしてみれば本意ではないかもしれませんが、思えば、ピーヒョロローというあの鳴き声も、のどかさの象徴のようでもあります。でも、初めて見た鳶柱の迫力には、目を見張るものがありました。
 朝方の気温もプラスであれば、少し暖かささえ感じる寒い冬。遠出がおっくうにもなりますが、ならば、身近なところや動物の、知らない一面を探しに行くのも楽しいかもしれません。

2014年11月25日

カテゴリ
今週のヒューエンス
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