年の初め
動物と人間とを区別する上で、「文化」をもつことが人間の特徴とされています。知識や信仰、芸術や道徳など、私たちの先輩たちが得てきたものや築き、伝えてきたものが、人間を形作ってきました。これまで地域や時代に合わせてゆっくりと醸成され根付いてきた文化は、インターネットという文明の利器を得た現代では、より流れが速く、地域差もわずかなものとなりつつあるような気がします。それもまた、今の時代の文化なのでしょう。
しかし、文化と訳される英語、「culture」という言葉は、本来、「耕す・栽培する」という意味をもっています。ひたすらに獲物を追い、今に生きるのが精一杯の時代から、大地を耕し、植物を育てるという、未来へ投資する力と知恵を得たことが、人間としての原点だったと言えます。時代の流れをつかまえることももちろん大切ですが、未来を育む目をもつことは、文化をもちえた私たち一人一人の大切な役目なのではないかと思います。
さて、今年の干支は未です。ヒツジは牧草の管理にとても適した動物だと耳にしたことがあります。牧草を根ごと引き抜いて食べてしまうウシとは違い、葉の根元を残して伸びた分だけ食べていくため、牧草の回復が早いのだそうです。必要な分だけ得て、資源を残していくことも大切なことです。
未来を見据え、大切なことは何か。今年もこの命題に向かって、一同精進していきたいと思います。
2015年01月05日
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- 今週のヒューエンス
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