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藍色の空

 道路脇の雪山がやっと小さくなったかと思ったらまた大きくなり、そんな一進一退を繰り返しながら3月を迎えました。南の方からはそろそろ梅の香りも漂ってきそうですが、帯広は、朝まで降り続いた雪が止んだ途端にうなるような風が吹きすさび、まだまだ気を緩められない春の始まりです。
 今年の冬はドカ雪やどんよりと曇った日が多く、十勝晴は少なかったような気がします。そのためなのか、久しぶりによく晴れた土曜日、日暮れの空がとても印象的に映りました。

 地平線にはまだ太陽の黄金色が残り、その上にぽつりと明るい星が見えました。宵の明星かもしれません。一足先に夜を迎えていた東の空には、既に幾つもの星が見えていましたが、それでも西に輝く星が、一番星のように思えました。
 紺の絵具がじわりじわりと溶けだしながらやがて空一面を染め、一番星が輝きを増していく様子を眺めていると、なんだか懐かしいような不思議な気持ちがわいてきました。紺というより藍と言った方が良いのかもしれません。染物の色であり、浮世絵の色であり、深くて静かで温かい色です。これもまた、暖かな季節が近づいてきている証なのかもしれません。

2015年03月02日

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今週のヒューエンス
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