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反対側の空

 見られそうでなかなか見られないもの、気づきそうでなかなか気づかないこと。自分の周りにはそんなものが溢れています。
 朝日が地平線から顔を出す時、夕陽が地平線に沈んだ時、太陽の強烈な光に染められた空の色に誰もが目を奪われる時間です。こんな時、太陽の反対側の空には何が見えるのか。
 地球の影が映るそうです。

 実は、この写真は2年ほど前に撮ったものです。当時は、地球影という名前も知らず、意図せずして映りこんだものです。
 ほんのりと染まったヴィーナスベルト(夕焼けの色が反対側の空にまで届いたもの)の下、地平線近くに青く帯状になっているのが地球の影です。日の出直前や日没直後のわずかな時間、空気が澄んだ日にしか見ることができないそうです。

 青空の見えた土曜日、真っ白な山の後ろに地球影が見られたら、と期待しながら日没を待ちましたが、にわかに空を覆い始めた雲のせいか、残念ながらこの日は見ることができませんでした。
 光があって物体があれば、影ができるのは当たり前のことです。確かに、月食でも地球の影を見ることができますが、あれが地球の影だという実感するには遠すぎるような気がしていました。
 青い地球の青い影。輝く光の反対側にも美しい世界は広がっている。そんなものを見つける楽しみが、またひとつ増えたような気がします。

2015年03月23日

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今週のヒューエンス
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