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冬こそ海へ

 十勝川河口に打ち上げられる氷、宝石のように美しいということから、ジュエリーアイスという素敵な名前もつけられて、近頃益々有名になりました。インターネットで検索をしてみると、太陽の光を受けて輝く写真が沢山掲載されています。
 実は、昨年もこの氷を探しに出かけてみたのですが、情報が足りずに見つけることができず、場所探しから再挑戦です。何度も回り道をしながらたどり着いた砂浜には、氷の塊が沢山打ち上げられていました。「おお〜」と喜んでいると、先着の方が「反対側の浜辺の方が沢山打ち上げられているんだよ。こっちは、言わば穴場だね。」と教えてくれました。あらら、そうだったのか〜、と拍子抜けです。でも、反対側は人が多いとも聞き、場所の下見と決めていたその日は、こちら側を散歩して帰ることにしました。
 気に入った氷を波打ち際へ運び、表面の雪を溶かしてつやつやになっていく様子を眺めてみたり、ぽこぽこと穴のあいた氷を見つけては写真を撮り、波から逃げて走り戻るのを繰り返したり。なんだか、久しぶりに海で遊んだ!という感覚です。
 思えば、北海道の自然に対しては、いつもローインパクト、あるがままの形を壊さないように接するのが基本で、その中で自由に遊ぶということがほとんどありませんでした。美しい自然と自分との間には、踏み込んではいけない境界線が敷かれているのが当たり前のようになっていました。でも、ジュエリーアイスは違います。春に近づけばおのずと消え去ってしまう氷たちは、並べたり積み上げたり、割ったり穴をあけたりしても、自然の何かを壊すことにはつながらないでしょう。小さい頃によく、浜辺できらきらしたものを集めてきては作っていた"自分だけの芸術作品"の感覚を思い出し、何より楽しかったのです。
 十勝の夏の海は水遊びには向きませんが、冬の海は氷遊びに最適でした。冬こそ海へ出かけるべきだったのかと、目からうろこです。

 (ジュエリーアイスの情報は、豊頃町のホームページにも掲載されていました。これから出かけてみたいという方は、ご参照ください。迷わずにたどり着けます。)

2016年02月01日

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