秋の空
木枯らしのからからとした音が耳に心地よく届くようになりました。無防備に外へ出た身体が少しびっくりするくらい朝晩の風は冷え込んできましたが、秋は1年の中でも一番、美味しい空気を味わうことができます。
朝、秋らしい高い空に、薄く広がる雲とその下をのんびりと流れるもこもことした雲が、ダイナミックな景色を創り上げていました。写真ではうまく表すことができなかったのですが、雲の帯はわずかにピンク色を呈していました。彩雲です。彩雲は瑞雲や慶雲と呼ばれることからもわかるように、めでたいしるしと言われています。空気が冷えた時期によく見みかけていて、珍しいものではないと知りつつも、いつも嬉しい気分にしてくれます。
山の紅葉が終わりに近づき、白い雪が大地を覆うまでは、どこかぽっかりとしたもの寂しさが漂う季節ですが、朝晩の地平線の色も、昼間の雲の流れも、夜の星も1日を通して空はとても表情豊かです。家への帰り道も、四角いビルの谷間も、いつもは意識していない景色が、空の表情一つで違って見えてきます。どこか胸がすくような秋の空、雲の図鑑を片手に、今年はじっくり味わってみたいと思っています。
2016年10月11日
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