足元を飾る花々の可憐さも、頭上を明るく照らす紅葉も、もちろん山頂からの展望の素晴らしさも言うまでもありません。でも、きつい上り坂の途中、苦しさに耐えかねて足を止め、ふと後ろを振り返った時、目に入ってきた風景が、強く心に残ることがあります。
　一歩一歩、前に進むことに懸命になっている時は、往々にして気づくことができないのですが、高度が上がり、視界が開けると、その歩いてきた道が、素晴らしい景色の真ん中を貫いていたことを知る瞬間です。
　2016年も、そんな一年だったのではないかと思います。海外で第１号のオゾン処理プラントが稼働しました。施工の数カ月も、運転を始めてからの数カ月も、現場の担当者の苦労は大変なものでした。初めてのことばかりですから、私たちにとっては、まさに道を切り開くという言葉がぴったりです。でも、処理が軌道に乗り、現地の方々とも信頼関係を築くことができ、10月の完成式典は成功裏に終えることができました。何より、澄んだ水がプラントから出ることへの感動を、国境を越えて共有することができたのは、皆にとって大きな財産になったに違いありません。
　そして、それは、苦労の数と同じだけ支えや助けを頂いたことの証でもあります。険しい道を共に歩んでくださった皆さまの顔を思い浮かべながら、来年もまた、新たな絶景にたどり着けることを願って、2016年を送りだしたいと思います。今年も一年間、本当にありがとうございました。

カテゴリ

今週のヒューエンス

更新日

2016-12-26

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