目標
朝、会社へ向かって歩いていると、足元の白い雪の上にナナカマドの赤い実が沢山散らばっていることに気づきます。上を見上げると、ツグミやシメが「見つかった!」とばかりに一斉に飛び立ちました。あと1ヶ月から2ヶ月、アトリやキレンジャクを見かけるようになる頃には、鮮やかな赤い実はすっかり食べ尽くされてしまっているはずです。人間が植えた街路樹が、冬鳥たちの貴重な食糧になっているのを見て、少し嬉しくなる季節です。
そんなことを思いながらパソコンの前に座り、今週のヒューエンスに何を書こうかと思いながら、1年前の今週のヒューエンスを読み返してみると、同じようにツグミやヒヨドリが登場していました。毎年同じ時期に同じような景色を感じていることを面白く思う気持ちと、この間にどれほど成長できたのかと心配になる気持ちとが入り混じります。文章を書くようになると、本や新聞で文章を書いている人のすごさを、写真を撮るようになると、プロのカメラマンのすごさを素人ながらにも感じるようになります。それは、作品の中に、その奥に広がる景色や空気感、感動した気持ちまでも込める事ができるからなのだと思います。
今年、目指すべきはそんな境地です。きっと、技術を磨くだけでは足りないでしょう。よいものを感じとる心も磨かなくてはいけません。でも、ここで伝える写真や文章の端から、北海道の澄んだ空気が流れ出るような、そんなものを届けられるようになるなら、こんな楽しい越えるべき山はありません。
2017年01月10日
- カテゴリ
- 今週のヒューエンス
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